【第3回・実践】アーティスト名をプロンプトに入れても反映されない理由と対策|正直レビュー

第1回・第2回の記事では、生成塗りつぶしで公園にベンチを追加したり、ピンク色の像を呼び出したりしてみました。今度はもっとアートに寄ったものを試してみようと思います。

筆者は個人的にシュールな作品が好きなのですが、シュールの代表格といえばサルバドール・ダリ。でも、具体的な作家名をプロンプトに入れて生成するのは、著作権的に問題になるのでは……と思いつつ試しに生成してみました。

結論から言ってしまうと、既存のアーティスト名を入力しても、その作風の画像は出力できませんでした。ただ、出力できないことにも実は利点があります。

色々と調べるうちに、AdobeのAI機能の良さを再発見しました。ぜひ最後までご覧くださいね!

あーてぃ
あーてぃ

アーティスト名がプロンプトに使えないって、いいことなの?!

第3回:巨匠へのオマージュを加えてみる

シュールレアリスムの画家、ダリっぽいものを召喚したい

美術の教科書には必ず出てくる、不思議な雰囲気の絵画で有名なダリ。彼のテイストも入れられるのでしょうか?早速試してみましょう!

まず、生成塗りつぶしのやり方

1. 選択ツールや投げ縄ツールなどで生成したい範囲を選択。
2. プロンプトバーの「生成塗りつぶし」ボタンをクリック。

3. 入力欄に指示を打ち込み、「生成」ボタンをクリック

4. バリエーションが3つ生成されるので、気に入ったものを選ぶ

今回のプロンプトは「surreal melting clock like Salvador Dali style」(サルバドール・ダリ風のシュールな溶ける時計)。

あーてぃ
あーてぃ

あれ? たしかに溶けた時計だけど、色合いとか形が全然ダリっぽくない!

どうやら、具体的な作家名を入れても、その作風は反映されないようです。

なぜアーティスト名を入れても反映されないの?

その理由は、Adobe Fireflyの仕様として公式に明記されています。

「プロンプトに有名人・特定アーティスト・ブランド名が含まれている場合、Fireflyはその情報を画像生成に使用できません」
(Adobe Firefly 公式ヘルプ「既知の制限事項」より)

AdobeはFireflyをビジネスや商用での利用を前提に設計しているのです。そのため、最初から著作権・商標権などのトラブルを避ける仕組みになっているんですね。

他のAI画像生成ツールでは、アーティスト名をプロンプトに入れることでその作風を再現できてしまうものもありますよね。SNSでよく見る「〇〇風」といったものです。でもAdobe Fireflyは、あえてそれをしない選択をしています。プロの方々が安心して仕事に使えることを優先しているんですね。

ですので、作家名は指定できませんが、アーティストの作風を別の言葉でプロンプトに言い表すことで、希望のタッチに近づけることができます。ChatGPTやClaudeなどのAIを使って、言い換えのワードを探してみるのもいいですね!

ご参考までに、アーティスト名の代替として使える可能性がある言葉をまとめてみました。プロンプトに使ってみてくださいね。

アーティスト名の言い換え例

・ダリ風シュール
→ melting(溶けた), distorted(歪んだ), dreamlike surrealism(夢のようなシュールレアリスム), uncanny landscape(不気味な風景)

・ゴッホ風タッチ
→ swirling brushstrokes(渦巻く筆跡), vivid impasto(鮮やかな厚塗り), expressive oil painting(表現豊かな油絵)

・モネ風の光
→ soft impressionist light(柔らかな印象派の光), blurred edges(ぼかしたエッジ), shimmering water reflection(きらめく水面の反射)

さらに…あまり知られていない、画像生成の精度を上げるコツ!

選択範囲の形 = 生成される画像の形

ついでと言っては何ですが、英語圏のデザイナーが使っているコミュニティサイトでよく語られているポイントを1つご紹介します。

生成塗りつぶしは「プロンプトに何を書いたか」だけでなく、「どんな形で選択したか」も生成結果に影響するのです。

例えば、帽子の画像を生成した場合……

横長の選択範囲
つばの短いハットや、ベレー帽、キャスケットが生成されやすい

正方形の選択範囲
つばの長さが標準的なハットが生成されやすい

縦長の選択範囲
トップハットやシルクハットが生成されやすい

つまり、欲しい形に近い選択範囲を描くことが、大事な工程の一つになっているわけです。
選択範囲の形に気をつけるだけで、プロンプトが同じでも結果が改善することがあります。ぜひ意識してみてくださいね。

生成レイヤーだから、何度でもやり直しがきく!

なお、生成塗りつぶしで作られた結果は、「生成レイヤー」という特殊なレイヤーとして保存されます

このレイヤーを選択してもう一度生成ボタンを押すと、同じプロンプトで新しい3パターンの画像が追加で生成されます。類似パターンの生成を試すこともできます。

  • 気に入らなければ、何度でも再生成できる
  • プロンプトを変えて別のバリエーションも試せる
  • 元画像は傷つかない(非破壊編集)

今回のシュールなコラージュも、やり直せるという気楽さがあったからこそ、のびのびと実験できた気がします。これが二度とやり直せない仕様だったら、緊張して楽しくないですよね。気軽に何度でも試せるのは、このツールの大きな魅力だと思います。

これまでの要素を組み合わせて、1枚の作品に!

さて、公園の画像に戻りましょう!生成塗りつぶしだけで、シュールコラージュ作品を仕上げてみましょう。

生成塗りつぶしだけでコラージュを作る方法

  • 背景のベースとなる写真を準備。
    ※今回の公園写真はcanvaで探して加工&ダウンロードしましたが、生成塗りつぶしでも代替できそうな感じはします。
  • 生成塗りつぶしで「浮島、ピンクの像、溶けた時計、サイバーファッションの女性」を配置。
  • 範囲の広い空全体も、生成塗りつぶしで銀河に変更。
  • 彩度や明度など、色合いは適宜調整。

コラージュが完成しました!意外なほど気楽に、楽しい画像が作れたので驚きました。

AIが登場する前は、フリー素材を探したり、著作権が切れた古い画像を古本屋で探したり、自分の手で描いたりと、かなりの手間がかかっていました。でもAIで生成することで自由度もスピードも格段に上がり、アイデアが自分の中でまだ熱いうちに形にできるというのが非常に衝撃的で、なおかつワクワクします。

今後は他のAdobeソフトも試していく予定ですので、動画などでAIをどう活用できるのか、どんどん検証していきます。引き続き楽しみにしていてくださいね!

Photoshopの生成塗りつぶしを使ってみた感想

評価

  • 使いやすさ:★★★★★(直感的でとっても簡単)
  • 精度:★★★★☆(たまに変なのが出るけど、だいたい良い)
  • シュール度:★★★☆☆(工夫次第で出来るよ)
  • 実用性:★★★☆☆(ジャンルによっては使える)
  • 面白さ:★★★★★(ガチャ要素が楽しめる)

生成塗りつぶし機能を一言で表すとしたら、「楽しい楽しい画像ガチャ」

想像以上に操作が簡単で、生成画像のクオリティも高め。

デザイナーなどグラフィック制作に関係する職業の方にとっては、安心して使える画像素材が増えたという感覚になるのではないでしょうか。デザインの現場では「アリモノの素材を探す代わりに、まず生成塗りつぶしで画像作成を試してみる」という使い方も出来そうです。また、商用利用OKなのも嬉しいですね。

他の画像生成ツールのように「これ、ディ⚪︎ニーのあのキャラに似てるけど大丈夫?」「作風が完全にジ⚪︎リだけど、モラル的にどうなの?」という、何とも言えない罪悪感がないのがとても清々しくて良いです。

AIツールは使ってみないとわからないものですね。今後も実際に使った感想をレポートしていきますので、お楽しみに!

あーてぃ
あーてぃ

最後に、「商用利用OK」の正確な意味を確認しておこう!

商用OKって聞いたけど、著作権は自分のものになるの?

Adobe Fireflyで生成されたコンテンツは、2023年9月の正式リリース以降、商用利用が可能です。Adobeは生成物に対して著作権を主張しません。

ただし、正確に言うと
「Adobeに止められない」=「商用利用できる」
という意味であって、「あなたの著作物として完全に保護される」かどうかはまた別の話です。

現時点では多くの国で、AI生成コンテンツ単体には人間の創作物と同等の著作権が認められていません(日本も同様)。

実務で使う際は、「AIが生成した部分」と「自分が創意工夫を加えた部分」を意識しておくと、自分の著作物として主張しやすくなります。Photoshopで構図を考え、プロンプトを工夫し、仕上げに手を加えた——そういった人間の創作的な関与が認められるほど、著作権保護の可能性が高まります。

第4回予告!

次は生成拡張(AI画像拡張)に挑戦!画像の端っこを無限に広げられる機能で、どこまで自然に拡張できるのか実験します。

あーてぃ
あーてぃ

「この写真、余白が足りないな〜泣」という時の救世主!

【このシリーズの予定】

  • フェーズ 1:Photoshop編(今ここ)
  • フェーズ 2:Firefly編
  • フェーズ 3:動画編集AI編
  • フェーズ 4:応用・統合編

「こんな実験してほしい!」というリクエストがあれば、ぜひコメントで教えてくださいね!

ご利用にあたって

本記事のコンテンツ(文章・画像・コラージュ等)の著作権は、すべて筆者に帰属します。内容の大部分または全部を無断転載、転送、再編集することは固くお断りします。商用目的ではない個人ブログやSNSでの引用は、出典を明記いただければ問題ありません。

※この記事で紹介した技術には、Adobe Fireflyが使用されています。
※商用利用については、Adobe Firefly利用規約および各自のご契約内容をご確認ください。
※編集内容によっては生成が制限される場合があります。
※実際のご利用にあたっては、各自で規約をご確認ください。

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